彦根屏風 部分 寛永期(1624−44)彦根城博物館収蔵
犬を曳く女

彦根屏風は国宝に指定されているが、その由来は謎に包まれている。
幕末 桜田門外の変で倒れた大老・井伊直弼か、
兄で先代の直亮の頃に井伊家に入ったとされている。

作者は未だに不明で、いつどこで どのような経緯で作られたのか確定されていないが、
江戸初期にあたる寛永期 京都の遊里 六条三筋町の風俗画というのが定説である。

「犬を曳く女」は、彦根屏風中の遊女の一人ではあるが、
後年、彼女を切り取った多くの模写や
モチーフにした絵が描かれており、江戸期の隠れたアイドルとも言える。

今では「犬の散歩」は当たり前の習慣だが
古来、日本では紐で繋げて飼うのは「猫」であった。
この犬は、南蛮貿易で輸入したと思われる洋犬で、和種ではない。
これは、まさに当時のニュートレンドだった。

おそらく、日本で初めて「犬の散歩」をしたのは彼女ではないだろうか

ただ、これは屋外での散歩でなく、屋内で犬と遊んでいたようだ。
足下を見ればわかるように、彼女は 履き物をつけていない。