辻が花染小袖 永禄九年(1566年) 東京国立博物館所蔵

辻が花染とは、絞り染と素描きなどを加え併用させた染方。
戦国から安土桃山時代に流行するもその後 急速に絶えてしまったので、
「幻の辻が花」とも言われていました。
現代の男性着物は無地かそれに近いものしか基本的にありませんが、
中世から近世にかけて、男性も派手な衣装を着る事は珍しくなく、
この小袖も男性所有のものと想定されています。

現代着物と比べて、身巾がかなり広く、それに対して袖巾がかなり狭く、
また、衿丈は長く 褄下が短いのがわかります。 


永禄年間は、戦国時代のクライマックスと言ってもよい時期です。
ちなみに
永禄三年 信長がわずかな手勢で今川義元を破った桶狭間の戦いがあり
永禄四年 武田信玄と上杉謙信が死闘を演じた川中島(4回目)の戦いがあり、
永禄十一年には 信長が畿内を制圧し、最後の室町将軍・足利義昭を奉じて入京しています。